地震や水害が起きたとき、私たちはまず「命を守ること」を考えます。しかし、避難所に逃げたあとに待ち受けるリスクについて、どれほどの人が意識しているでしょうか。
近年、災害後の避難所において女性が直面する「プライバシー侵害」や「性暴力被害」が、深刻な問題として注目されています。本記事では、公的調査のデータをもとに、その実態と対策をお伝えします。
避難所での被害、どれだけ起きているのか
東日本大震災後の調査が明かした現実
2011年の東日本大震災後、東日本大震災女性支援ネットワークが支援機関を通じて収集した調査では、82件の被害事例が報告されました。そのうちDV以外の性暴力・わいせつ行為37件のうち19件——約半数が避難所で発生していたことがわかっています。
さらに震災後の2012年、DV相談件数は福島県が前年比64%増(840件)、宮城県が33%増(1,856件)と、いずれも過去最高を更新しました。
「避難所に逃げれば安全」ではない。これが、過去の大災害が突きつけた現実です。
能登半島地震(2024年)でも繰り返された
内閣府男女共同参画局の調査(2025年5月)によると、被災自治体の67%が女性用の更衣室・シャワー室などのプライバシー設備を整備していなかったことが明らかになっています。
現場では、こんな声が記録されました。
「女性の更衣室が用意されず、着替えるところがなかった。布団の中で着替えていた」(60代女性・能登半島地震被災者)
「男性による複数の女性へのつきまといがあった。警察にできることはブザーを渡すことだけだった」(支援者)
これらは特例ではありません。東日本・能登と、大規模災害のたびに繰り返されてきた構造的な問題です。
なぜ避難所でのリスクが高まるのか
避難所では、普段とはまったく異なる環境で生活を送ることになります。
- 見知らぬ人と同じ空間に何日も滞在する
- トイレ・更衣室が男女共用、または仕切りがない
- 夜間の照明が不十分で死角が多い
- 行政・支援者の目が届きにくい時間帯がある
- ストレスや不安が行動の抑制力を低下させる
こうした環境が重なることで、平時には起きにくいトラブルが発生しやすくなります。
今すぐできる備えとは
「行政がなんとかしてくれる」という期待は、過去の事例を見る限り現実的とは言えません。自分自身のプライバシーと安全を守るために、個人レベルでの備えが重要です。
なかでも施錠できる防災テントは、避難所内で「自分だけの空間」を確保できる有効な手段として注目されています。着替え・授乳・就寝時のプライバシーを守り、不審者の侵入を物理的に防ぐことができます。
まとめ
- 避難所での性暴力・プライバシー侵害は、データが裏付ける現実の問題
- 東日本・能登と、大規模災害のたびに繰り返されている
- 行政の整備を待つだけでなく、個人の備えで身を守ることが重要
「もしものとき」のために、今日から備えを始めてみませんか。


