こんな事を書くのも気が引ける日本なのですが。
 
今の日本のマスコミは『きれいごと』しか放送しない世の中で、
局や個々の立場が悪くなるのを恐れて真実を放送しないのですね。
 
何も、マスコミばかりではありません。日本国民全体がこのような感覚に洗脳されているのでしょう。
『マズイ発言、行動をすれば、現在の地位、職業を失い、収入や家族を失う。周りに迷惑を掛ける。』なんてね。
日本人で勇気の有る人はいないのか? いたら変人扱いされるのか?

私たちは1000人以上の建築職人さんが集まり、様々な支援活動をしてきた。
 
・テレビで「◯◯市は電気復旧率100%」なんて放送された時も、家庭のブレーカーまでは電気が来ていたが
 床上浸水の家はブレーカーから先、家の中は電気が使えない状態だったので無料で何千件も修理、点検をしました。
 その時、東電は「ブレーカーを上げると火災の恐れがあるので絶対に安全を確認出来るまで上げないで下さい」と。
 ブレーカーが上げられない状態の家が沢山ある中、何が「復旧率100%」だ!
 
・仮設住宅の工事中に「明日の朝、国会議員が視察に来るので現場周辺を掃除しろ」と、司令がゼネコンから出た。
 職人さんは仕事を止めて現場周辺の掃除。ゼネコンの監督もスタイロフォームを整理整頓した。
 国会議員の視察当日の朝、テレビ局も沢山集まっていた。
 しかし、突風でスタイロフォームが現場周辺に散乱しており、みんなで拾い集めさせるハメに。
 数が多いので自衛隊の応援まで呼ぶ大惨事だ。中には雪の積もる川の中にも飛び散っていた。
 ボートも無い、ボートを取りに行く時間も無し。どうやって雪の積もる川の中のスタイロフォームを拾うか?
 私が気合の入った職人さんに『行け!』の一声で、携帯と財布を岸辺に置いてズブズブと雪の積もる川の中へ。
 2人。3人。5人と雪の積もる川の中での掃除。自衛隊・ゼネコンは誰も川に入らない。
 マスコミは見て見ぬふり。
 
・当、ホームページを通じて沢山の支援物資が被災地にも届いた。
 食料・家電・自動車・工具・生活雑貨・フォークリフト・船・子供用品など沢山の支援物資が届いた。
 当ホームページでは『支援して欲しい人』の情報を『支援したい人』に教えていただけで
 特に手数料を頂いた事は無いし、メールを転送したり、代筆メールを書いてあげるという事しかしていない。
 その送られた商品を全て金額で換算すると数億円にもなるでしょう。
 
 
しかし、震災から一年半が過ぎようとしている現在、被災地の元気になっていく姿をテレビで見て、
ウレシイ反面、複雑な気持ちになります。
 
私たちは自分の生活を犠牲にして、個人の物やお金まで被災者の方に注ぎ込んだ訳です。
自分の判断で行った行動、お金の使い方なので決して被災者に返せとかお礼を言えという意味ではありません。
九州の佐賀県の大工さんは『被災地は手が足りてますか?』という連絡に、詳しく状況を説明すると
『今から行きます!』と、20時間後に『仙台まで来ましたが、どこまで行けば良いですか?』と、
20時間も軽トラックで走り続けて来てくれた訳です。(出発してから家族に電話で説明したらしい)
私と電話を切って、道具を全部軽トラックに積み込み、直ぐに出発したそうです。
 
そんな熱い仲間が沢山、集まった訳です。
支援活動に夢中になり、離婚した人。自分の会社を倒産させた人。借金まみれになった人。自殺した人。
自分が二次被災者になった人も沢山います。
 
そこまでして『困っている人を助けたい!』という本能が行動に出た人ばかりです。
 
ただ、これだけ多くの人が支援活動をした中、逆にお礼をする人は目立っていないのが実状です。
現状を聞いた途端、20時間軽トラックで九州から岩手県まで走れる熱い人は東北にいるでしょうか?

 
テレビで見る限り「◯◯◯名がロウソクに火を灯して黙祷した。」や「太鼓を叩いてお祭りが・・・」
このような『きれいごと』しか放映されません。
日本人は現実拒否しているのでしょうか?『きれいごと』がウケるから?
見苦しい所は自分の生活が危なくなるので放映出来無い?受け入れたくない?
 
影で(影にしているのはマスコミ)頑張っている人も沢山います。
逆に影で震災を利用して儲けている人も沢山います。
日本のマスコミさん、自分の地位や名誉、自分の給料や家族の事ばかり考えずに
良い事は良い。悪い事は悪い。正しい事は正しい。しっかり伝えましょうよ。
 
我々の仲間は建築職人さんばかりなので、インターネットの出来無い方も多いです。
メールを打てない方も多いです。
しかし、あの被災地での過酷な経験を供にした事は大きな絆として今も残っています。
 
一緒に支援活動をしていた仲間が死んだり、病気になったり、不幸になったり、
大変な目に合っているのを見ているのが、辛いですよ。